TAS(Tool-assisted speedruns)用語

エミュレータ(Emulator)
ゲーム機などの本体のプログラムの動作をPC上で再現することで、PC上で動作を可能とするプログラムのこと。
動画を撮る機能や、スロー機能、どこでもセーブ機能などの付加機能がついていることが多い。

入力(Input)
プレイヤーが入力したキー操作のこと。
TASを記録したファイルは、このようなキー操作を開始時から全て記録している。
やり直しの際はセーブ箇所からキー操作を上書きしているのだ。

フレーム(Frame)
主に1秒間に描画される枚数のこと。日本では60フレームが標準。
ほとんどのゲーム機では、1フレームに1度の入力をすることができる。

フレームアドバンス(1フレ入力)(Frame advance)
1フレームずつ入力することができる機能。FCEUltraなどのエミュレータが搭載している。
1フレーム入力→ポーズ状態→1フレーム入力→ポーズ状態→ポーズ状態 のように記録することのできる機能。
キーを入力したらポーズ状態になるのがミソで、難度の高い場所でミスなくキー入力をしやすい。

バグ技(Glitch)
ゲームの開発者が意図しなかったバグ。
小さなバグでも、ロックマンの壁抜けのように
時間短縮には効果があることが多いので、
バグによってTASの世界が大きく進化したことは間違いない。

バイナリ編集(Binary Editing)
キー入力を記録したファイルをバイナリ編集すること。
主にキー入力ファイルのつなぎ合わせや最適化などに使われる。
FCEUltraのファイルは圧縮されているためバイナリ編集がしにくいが、
TAS EditorTASEditなどを使うと簡単にキー入力をすることが可能だ。
また、Nesmockを使用するとFCEUltraの形式である圧縮ありのfcmファイルを
Famtasiaの形式である無圧縮のfmvに変換できたりする。
Famtasiaの形式は編集やコピペが便利なので楽だ。

ラグ(Lag)
ゲーム機のCPUの処理の計算が追いつかずに、ゲームの処理が遅くなること。
ロックマンなどでも、敵の数が多すぎるとラグが発生する。
TASにおいては、このラグを減らすことがタイム短縮に重要になるゲームも多かったりする。

確率操作(ラックマニピュレーション)(Luck manipulation)
事前セーブしておき、キー入力を微妙に変化させながらセーブとロードを繰り返すことで、任意のイベントを起こすこと。
(※ロックマンでいうとジャンプやショットの方法を微妙に変えて大エネルギーを出したりする。)
(※ドラクエでいうと、コマンド選択のキー入力を少し遅らせたりして、確実に改心の一撃を出したりする。)

追記(Re-record,Re-recording)
セーブをした箇所から録画をやり直せる機能。TASのキモといってもいいだろう。
ロックマンなどのゲームでは追記回数が数万回に及ぶことも多々。

ロム(ROM)
ゲームのデータをダンプしたデータのこと。
主にエミュレータはこのROMファイルを読み込むことでゲームを実行している。
エミュレータ関連のサイトをやっていると必ずロムくださいという人が現れるのが悩みどころ。

セーブステート(Save State)
エミュレータの実行途中のデータを記録したデータのこと。
この状態を記録しておくことで、ゲームを途中からやり直すことが可能となる。
良く間違えてセーブしてしまい最初から再生しなおしということが多い。
たくさんセーブしておくことが重要

スローモーション(Slow Mortion)
エミュレータの実行速度を落とすこと。
難度の高い場所で、ゆっくり動かすことで攻略の手助けになる。

チート・改造(Cheat)
主にエミュレータのメモリ上の値を変化させた改造のこと。
TASのプレー自体では用いられない。
何度ダメージを食らってもHPが最大のままのような改造は経路の調査には良く使われる。
また、ニコニコ動画では良くTASのことを勘違いしたツッコミに使われるのが悩みどころだ。

改良(Improvement)
プレー方法を変えることで時間短縮などを図ったこと。

TAS(タス)(Tool Assisted Speedrun)
ツールの助けを借りたプレーのこと。
いわゆる人間の一発勝負のプレーとは違ってやり直しを繰り返すことで、
極限のプレーや面白プレーなどを見せるエンターテイメントプレーを目的としている。
一般的にはクリアまでのタイムアタックを競う場合が多い。
エミュレーターを使ってスローでプレーして極限を追い求めたり、追記機能(やり直し機能)を使って失敗を完全になくしたり、、逆アセンブルで解析してプログラムによるBOT(自動プレー)を組み込んだりしてやり直しを繰り返すことで特定のメモリ状態になったときのみに成功する技を組み入れたりして、人間の手ではできない面白プレーや最速タイムアタック動画を作り出すというジャンルなのだ。
(ルールはタイムアタックだけではないが、タイムアタック(Speedrun)が一番多いのでTASと呼ばれている。)
(タイムアタック以外には、マリオのBダッシュ禁止クリアや同じキー操作での複数プレー、限界まで素早く点数を稼ぐプレーなどが存在する)

TASさん(TAS-san)
マリオカートの動画をニコニコ動画にアップした人が、「数々の世界記録を持つTASさんが…」という紹介文を書いたことで
広まった言葉。主にTASさんすげー!という風に使われる。
当然「TASさん」なるプレイヤーがプレーしているわけではないので注意

TASVideos http://tasvideos.org/ 
Bisqwit氏が2003年から運営している最大のTASサイト。
BitTorrentでエミュ動画を配布したことにより、誰でも動画が見られるため、爆発的な人気を博す。
フォーラムでは活発に議論が続いており、1大ポータルとなっている。

アチー(Hot)
主に「アチー」「アチアチ」のように使う。
熱いテクニックが見つかったときに日本人TASプレイヤーの間で良く使われる言葉。

逆アセンブル(disassmble、discompile)
コンピュータが解釈する機械語を人間が理解できるニーモニック言語(アセンブラ言語)に変換すること。
これによってゲームのプログラムを理解し、バグを探したりBOTを作ったりする。
アセンブラ言語は非常に読むのに時間がかかるため、万能ではないが、
ロックマンやマリオなどでは良く解析されている。

デバッグ(debug)
本来の意味はバグをつぶすことだが、TASでの意味は、メモリ上のプログラム解析を意味する。
デバッガを動かしながら、エミュ上でゲームをプレーすることで、
どのメモリ上の値にX座標が格納されているのか?
どのメモリ上の値が変化したときにこのバグは起きるのかなどのデータを調べることが可能となる。

BOT(ボット)(Bot)

プログラムに自動プレーさせること。
ロックマンでは一部の難度の高い場所でBisqbotというボットが用いられている。
・特定のフレームから全てのキー入力パターンを試して最も記録時間が短くて済んだものを選択する
・バグ技が成功するまで自動的に再施行
・無駄なくジャンプをするのを助ける
・ボスを最短時間で自動激破
などの多種多様なパターンが存在する。当然理解するには、プログラミング、アセンブラの理解とデバッグが必須になる。
FCEUltra0.98.16にはBisqbotを組み込む機能が実装されている。

Tier
特定の期間をプレーする方法。
バグ技などによって非常に速く進むことができるルートが見つかった場合
それは別々のルートと考えられる

タイムアタック(TimeAttack)
日本でのSpeedrunの通称。いかにはやくクリアできるかを競う。
いわゆるTASも広義では含むが、人間による1発勝負のタイムアタックのことをさす場合が多い。

再生ずれ(Play Shifts)
エミュレータの入力記録ファイルを再生すると、稀に再生がずれること。
エミュレータのバージョンが違うと良く再生がずれたりする。
パソコンのCPUなどによっては、このような現象が頻発したりする。
昔のエミュレータでは、せっかく撮った動画がずれてしまいなくなく撮りなおしということも良くあった。

ニコニコ動画(NikoNikoDouga) http://www.nicovideos.jp
日本でのTAS普及に一役かっているサイト。
動画を再生しながらコメントがテロップのようにつけられるため、
任意の箇所に突っ込むのが簡単なため、多数のTAS動画がアップされている。
草がいっぱい生えている場所でもあるwwwwwwwwwwwwwwwwwww

:)
海外で使われる喜ぶことをあらわす笑っている絵文字。
海外では横向きに絵文字を表現するのだ。

lol (laugh out loudly / laughing out loud / lots of laugh)
英語圏で言う激しく笑ったという意味。
日本でいうテラワロスに近い意味。

OTL orz
世界共通の崩れ落ちる男。がっくりしたことをあらわす。
英語圏でもアジア圏でも良く使われている。